※2025年8月14日開院※

9月セミナー参加報告「頭部の皮膚形成学」

9月セミナー参加報告「頭部の皮膚形成学」

手術屋・中島先生のセミナーに参加してきました

先日、外科手術のスペシャリストである「手術屋の中島先生」のセミナー(HJSセミナー)に参加しました。
今回のテーマは 「頭部の皮膚形成」。とても学びの多い内容だったので、ここで少しご紹介したいと思います。


頭部の皮膚形成とは?

例えば、犬や猫の 眼瞼(まぶた)にできた腫瘍を摘出した後、皮膚をどのように縫い合わせるか。
傷口をただ閉じればよい、というわけではなく、見た目の美しさと機能を保つことが強く求められます。

頭部は「目」「口」「鼻」など、動物にとってとても大事な器官が集まっている場所。
縫合の仕上がり次第で、見た目だけでなく 瞬きや呼吸、食事といった日常動作に影響することもあるのです。


美しさと機能はつながっている

セミナーで印象に残ったのは、
「美しさのある形成は、同時に機能的にも優れている」という言葉です。

単に“きれいに見える”ということではなく、
組織の動きや負担のかかり方を考えた縫合こそが、結果的に美しい仕上がりになる。
その両立が求められるのが、頭部形成学の難しさであり、魅力だと感じました。


人の形成外科を参考にしつつも…

形成外科の世界では、人の医療の知見が大きな参考になります。
しかし、犬や猫の皮膚は人間とは構造が異なります。

例えば、犬猫は皮膚が比較的ゆるく可動性が高い反面、人よりも薄くデリケート。
そのため、単純に人の手技を真似るだけでは十分ではありません。
犬猫の皮膚の特性を理解し、それに合わせた縫合方法を選択することが重要です。


まとめ

今回のセミナーを通して改めて感じたのは、
頭部の皮膚形成は「機能を守りつつ美しさを追求する」難しい分野だということ。

人の形成外科の知識をヒントにしながらも、
犬猫それぞれの皮膚の特性に合わせた外科的アプローチが求められます。

これからの臨床現場で活かしていきたい、大変有意義な学びになりました。

松永 省吾

動物たちは言葉で不調を伝えることができません。
だからこそ、飼い主さんに「知ってもらうこと」がとても大切だと考えています。日々の情報発信では、できるだけ専門用語を使わず、初めての方にも「わかりやすく」「安心できる」内容を心がけています。「この子にとって何がベストか」を一緒に考えるために、ほんの小さな気づきやヒントになればうれしいです。

更新情報

About

静岡県焼津市の「なないろ動物病院」は、犬猫の健康を支えるご予約優先のペットクリニック。フィラリア予防や心臓病、避妊手術、皮膚の病気や耳の診療に強みを持ち、丁寧な診察と親身なケアで飼い主さんの不安を解消します。安心して相談できる動物病院をお探しならお任せください!

MENU