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Toggle手術屋・中島先生のセミナーに参加してきました
先日、外科手術のスペシャリストである「手術屋の中島先生」のセミナー(HJSセミナー)に参加しました。
今回のテーマは 「頭部の皮膚形成」。とても学びの多い内容だったので、ここで少しご紹介したいと思います。
頭部の皮膚形成とは?
例えば、犬や猫の 眼瞼(まぶた)にできた腫瘍を摘出した後、皮膚をどのように縫い合わせるか。
傷口をただ閉じればよい、というわけではなく、見た目の美しさと機能を保つことが強く求められます。
頭部は「目」「口」「鼻」など、動物にとってとても大事な器官が集まっている場所。
縫合の仕上がり次第で、見た目だけでなく 瞬きや呼吸、食事といった日常動作に影響することもあるのです。
美しさと機能はつながっている
セミナーで印象に残ったのは、
「美しさのある形成は、同時に機能的にも優れている」という言葉です。
単に“きれいに見える”ということではなく、
組織の動きや負担のかかり方を考えた縫合こそが、結果的に美しい仕上がりになる。
その両立が求められるのが、頭部形成学の難しさであり、魅力だと感じました。
人の形成外科を参考にしつつも…
形成外科の世界では、人の医療の知見が大きな参考になります。
しかし、犬や猫の皮膚は人間とは構造が異なります。
例えば、犬猫は皮膚が比較的ゆるく可動性が高い反面、人よりも薄くデリケート。
そのため、単純に人の手技を真似るだけでは十分ではありません。
犬猫の皮膚の特性を理解し、それに合わせた縫合方法を選択することが重要です。
まとめ
今回のセミナーを通して改めて感じたのは、
頭部の皮膚形成は「機能を守りつつ美しさを追求する」難しい分野だということ。
人の形成外科の知識をヒントにしながらも、
犬猫それぞれの皮膚の特性に合わせた外科的アプローチが求められます。
これからの臨床現場で活かしていきたい、大変有意義な学びになりました。
